平成20年9月18日に行いました県議会一般質問で、下記の項目について質問致しました。
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(質問)  水産振興の覆砂事業について質問いたします。
 近年、温暖化の影響等で海水温が上昇し、有明海に限らず各地で異変が続いております。その結果、ノリの操業日数の減少、漁獲量の低迷、さらに燃油、資材の高騰、魚類の安値傾向など、さまざまな悪影響が出ております。
 このような状況の中、注目される水産振興事業としてアサリの採貝事業があります。この事業は、基本的に漁船も乾燥用ボイラーも要らず、いわゆるガンヅメですかね、ガンヅメとかヨイショとかがあればアサリをとることができると。有明海の漁業者は、魚をとる漁業からアサリの採取にシフトしている状況であり、今後、アサリ採貝事業が、有明海沿岸の漁民、漁業組合にとって重要な事業になることは確実であります。
 しかしながら、皆さんも御存じのように、有明海沿岸は泥土が堆積しており、今後覆砂を行い、アサリの漁場をつくり、管理型漁業を推進しなければならない状態であります。
 本県発注工事においても、平成16年から、河川河口での作澪、しゅんせつを利用して覆砂事業を行ってこられましたが、この事業は昨年で完了いたしました。河口掘削土での覆砂事業はどうしても砂と泥土がまざった状態であるため、すべてではありませんが、海砂利を購入して、県の工事施工箇所の上に漁場を造成している漁協も多々ある状況であります。
 隣の福岡県で実施されている覆砂事業の状況を見てみますと、平成19年度で、事業費19億2,500万円、覆砂量で39万立米。長崎県も同様に、採取した海砂利を購入し、覆砂事業を行っておられます。本県においては、19年度、作澪、掘削の土砂を利用した覆砂事業は、2億5,000万円、覆砂量は10万立米という状況であります。
 有明海に面する他県においても、覆砂事業は有明海再生に向けた重要な施策と位置づけられることがわかります。しかし、他県は、覆砂する砂は海砂利採取された純粋な砂で行われており、本県では、泥土まじりの砂でしか覆砂事業を行えないという大きな違いがございます。
 本県が制定した海砂利採取計画によれば、環境面から考えると、有明海は閉鎖性の高い海域である、海砂利採取が海域環境に与える影響については、明確な因果関係は立証されていないが、海底地形の変化及び底生生物に悪影響を及ぼす懸念があるとのことで、海砂利の採取量を約20万立米を限度に、毎年5%ずつ削減されておられ、また、平成16年に県議会が取りまとめた有明海・八代海再生の提言の中に、覆砂においては、作澪やしゅんせつで発生する良質な砂の活用、良質な砂の活用を推進とありますが、実際には泥土まじりの土砂が多く、良質な砂の確保が困難な状況のため、現状は各漁協で対応している状況であり、本県事業としても、最低限の海砂利を採取し、覆砂に利用してもよいのではないかと考えます。
 そこで質問いたします。
 有明海において、県事業で、みおしゅんせつで覆砂する工事は昨年で終了したと言いましたが、今後10年間は県工事の発注はないとのことであります。管理型アサリ漁場を確保しなければならない有明海沿岸の荒尾漁協から宇土の網田漁協までの16漁協は、覆砂ができなくなることを大変危惧している状態であります。
 各漁協は、単協の予算で毎年海砂利を購入して漁場整備を行っておりますが、予算がなく、十分にできないのが現状であります。他県のように、海砂利採取された純粋な砂で、県の工事として覆砂事業を再開していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
 また、有明海で現在海砂利採取を行っている箇所は1カ所しかなく、来年3月までの許可期限となっており、続けて採取できるか不透明であります。有明海産以外の砂となれば、価格も倍以上になりますし、病害虫が混入をしていないかと心配になります。
 有明海沿岸の漁協としては、どうにか有明海産の海砂利の確保を熱望する次第でありますが、来年の海砂利採取確保について、水産振興の観点から、どのような計画及び指導をされているのか、農林水産部長にお聞きします。

【農林水産部長】 覆砂は、今お話にありましたように、悪化した漁場環境の再生を図り、アサリ資源を回復するためには大変有効な手段であります。しかし一方では、海砂利の採取は海域環境への影響が懸念されており、周辺の海域環境へ十分配慮する必要があります。
 これらのことから、県といたしましては、平成20年1月に策定した熊本県海砂利採取削減計画において、建設資材用などを含めた海砂利の総採取限度量は縮小するものの、覆砂用としては、縮小の対象外として、これまでの実績などを考慮して、一定量、毎年3万2,500立米が確保されております。
 仮に覆砂用の海砂利の需要がこの量を超える場合には、総採取限度量の範囲内で対応することとされております。
 なお、漁場環境の悪化やアサリ資源が大きく減少するなど、海域環境や水産資源などへの影響が明らかに認められる場合には、計画期間内においても、計画内容の見直しについて関係部局間で協議の上、検討することとされており、覆砂用の海砂利確保に十分配慮してまいりたいと考えております。
 次に、県営による覆砂事業の実施についてでありますが、平成16年2月、県議会の有明海・八代海再生特別委員会から、覆砂については、海砂利採取は環境への影響が懸念されていることから、作澪やしゅんせつで発生する良質な砂の活用を図られたいとの提言が出されております。
 このため、平成16年度以降の県営で行う覆砂事業については、提言に基づき実施しており、また、昨年度からは、八代海において、荒瀬ダムの堆積土砂を活用した覆砂も実施しております。
 購入砂による覆砂については、漁業者から強い要望があることは承知しておりますので、今後のアサリの生産状況や環境対策特別委員会の御意見等も踏まえながら検討してまいりたいと考えております。
【農林水産部長答弁終了】

(質問) 海砂利採取及び覆砂事業は、有明海でアサリを採取して生活している漁業者は、私も含めまして、だれもが環境に悪影響を及ぼしているとは思っておりません。熊本県海砂利採取計画の中にあるように、海砂利採取が環境に悪影響を及ぼしている懸念があるとあえて県が主張するならば、覆砂事業並びに河川河口での作澪、しゅんせつは県が推進している工事でありますので、当然、覆砂またはしゅんせつ工事予定地の動物の生息状況を調査し、施工した後の状況分析、また、定期的に表面を掘り起こして調査をしておられると思いますが、県計画には何も報告されておりません。
 どのような環境調査で、覆砂、作澪、しゅんせつ工事が漁業振興に影響がないという結論になったのか、確認の意味で環境生活部長にお尋ねします。

【環境生活部長】 まず、海砂利採取が海域環境や水産資源に与える影響についてのことでございますけれども、今、我々の結果も含めて井手県議の方で述べられました。確かに、これまでの調査で漁場環境への影響を定量的に把握できたとは言いがたいけれども、地形、底質、あるいは汚濁した水等々の変化が見られることから、水産生物への影響が懸念される、あるいは及ぼすことが考えられるというふうな観点に立っております。
 そこで、こういった状況の中で、16年2月に、県議会の有明海・八代海再生特別委員会で提言が出されたわけでございまして、その提言の中で海砂利採取の縮小という形で示されてきたことは御承知のとおりでございます。加えて、今後の環境問題という切り口では、予防的な措置をとるというふうな観点も加えまして、現在の削減計画の策定に至ったものでございます。
 御指摘のとおり、最も悩ましいのは、今農林水産部の方からもございましたように、アサリ資源を回復するための大変有効な手法であります覆砂あるいは建設等々も含めた骨材の確保という一つの視点と環境の保全を図るという、これをどういうふうな形で満足させるかということが一番悩ましかったところでございます。
 覆砂も、基本的には覆砂だから環境保全には全く問題ないということはないというふうに考えておりまして、先ほど御指摘の覆砂だけに限った調査は行っておりませんけれども、環境保全とアサリの保全、そういうものを加味する上で、どこで折り合い点をつけるかということだろうと思います。
 今回の削減計画では、いわゆる採取を全面禁止するといったようなことではなくて、特例として、覆砂は別枠、いわゆる一定量を確保するという形で、これまでの数字確保、市町村だとか漁協あたりで使われてきた数字あたりを勘案しながら一定量を定めて、それは、削減するのではなくて、一定量を5年間確保する中で推移するというふうな水産振興の視点も両立させたような配慮をしているところでございます。
 今後の状況等、いろいろまた見きわめながら考えてまいりたいというふうに考えております。
【環境生活部長答弁終了】

(質問) 本県で昨年使用した海砂、陸砂すべて合わせまして144万立米となっております。このうち海砂利は約半分の70万立米であり、県内で採取できる海砂利は20万立米が限度なので、不足分は長崎県や佐賀県から購入している状況であります。しかし近年、他県からの海砂利の持ち込みが禁止になると聞いており、本県で使用する砂の絶対量が不足するのは確実であります。
 県に、今後細骨材確保はどのようになっているのかお聞きしますと、庁内で検討委員会は開いているとのことで、協議内容が、現状の確認や問題点とか今後のスケジュールの確認など、具体的な内容ではなく、問題を先送りしているのではないかなとさえ感じます。
 この問題は、漁業関係者、建設関係者にとっては喫緊の課題と認識しております。この対策として、県議会、関係団体も含めた、これは仮称でありますけれども、細骨材検討委員会なるものを立ち上げ、直ちに協議をしたらいかがかと考えますが、商工観光労働部長のお考えをお尋ねします。

【商工観光労働部長】 覆砂事業用などの県内産海砂利に不足が生じたときの対応についてでありますが、当面は、覆砂事業用の代替材としては県外産の海砂利が、また、公共事業用の海砂利の代替材につきましては、砕砂、洗浄砂が中心になっていくと考えております。
 そのほかに、代替材としまして、現時点では、工法や品質など技術的な課題、それから価格面での課題等があるわけですが、製鋼スラグなどの再生資源の活用につきましても、循環型社会の形成という観点から、可能なものから天然資源から再生資源へ移行していく必要があろうかと考えております。
 そのため、環境生活部、土木部、農林水産部との関係部局で構成をします海砂利採取に係る庁内検討会議の中に、再生資源を初めとしまして、砕砂、洗浄砂などの代替材の検討の場を設けまして、課題の整理を開始したところでございます。
 この検討の過程の中で、必要に応じて専門家や関係者等の御意見をお聞きしながら、幅広く検討を進めてまいりたいと考えております。
【商工観光労働部長答弁終了】

【質問終了後】
今、3部長の方から御答弁がございまして、覆砂の量は一定確保はしているというようなお話でありますが、2月もこの質問いたしまして、島田部長の答弁でありましたけれども、県内産の砂は県内で十分に、いわゆる工事用砂もあわせて計画を立てて、県内産で足るように、使い切ってしまうような格好の計画を立ててしているが、不足を生じた場合には県外から入れますよというような答弁でございました。
 実は、今度砂を利用する大型工事が八代の方で出るんですが、これが7万立米ぐらいあるんですね、サンドコンパクションの工事が。そして、今現在熊本県で確保している砂が5万ちょっとしかないんです。その場合2万何ぼは県外から持ってくるというような話であろうかと思いますけれども、しかしながら、我々漁業者としては、例えば、ことし、単協、漁協組合の売り上げが上がったと。やっぱり協同組合でありますので、どぎゃんかそのもうかった分は処理しなくちゃいけないと。なら、来年2月の仮決算ぐらいのときに、じゃあその分で覆砂をやろうかと、県内産で覆砂をやろうかなと思って熊本県の砂屋さんにお願いしたら、ああ、もう20万ことしはやりましたから、ことしはありませんというふうなことが生じてくるんですよ。
 その量は、今計画があるというのは、今現在聞き取り調査を各単協に行っておられます。覆砂は、来年は何立米しますかと。そういうところを基準に覆砂の総量というのを年間決められるわけでありますが、それ以外に発生した場合、これはもう県内産の砂は使えないという話ですよ。それは、県から助成金か何かいただいてやればいいんですけれども、単協のお金でやるんですね。大変これは厳しい。
 やはりそういうところもあわせて、総量規定をただ単に決めて、これ以上払われませんよとか、そういうことじゃなしに、もう少し組合の事情もわかっていただきながら考えていただきたいなと。これは特別委員会の方でまた同じ質問をしながら協議していこうというふうに思っておりますので、よろしくお願いします。

(質問)  水産業における燃油高騰対策について質問いたします。
 近年の原油高騰の影響により、ノリ養殖業では、近年にない豊作にもかかわらず収益率が下がり、生産者の手取りが減少いたしました。これは、ノリ養殖の作業に使う船の燃料である軽油やガソリン、また、板ノリを生産するための乾燥機の燃料である重油の価格が高くなったのが主な原因であります。
 これらの問題は、ノリ養殖だけではなく、すべての漁業に共通する大きな問題であります。去る7月15日には、全国の漁業者が一斉に休業を行い、本県においても、すべての漁協が参加し、およそ1万3,000人の漁業者、5,600隻の漁船が休業を行いました。東京・日比谷で行われた全漁連主催の集会には、各漁協と県議会からも、水産振興議員連盟から村上議長初め5人の議員が大会に参加いたしました。
 全国の漁業者が一斉にその窮状を訴えたことにより、7月末、国において、燃油高騰水産業緊急対策が打ち出されました。
 その事業内容を見てみますと、5人以上の漁業者グループが、操業の合理化によって昨年実績の燃油使用量を10%以上削減する実証事業に取り組む場合に、昨年12月の燃油価格を基準として、増加分の9割を国が負担するという制度であります。しかしながら、漁業者に聞いてみますと、制度がわかりにくいと。制度自体が漁業者に浸透しておりません。
 具体的には、熊本県のノリ養殖業の場合ほとんどが単独操業で、グループの組み方からわからないと。また、この制度を活用するには、昨年の実績より燃油使用量を10%以上削減する計画を提出しなければなりません。そのためには操業日数を削減しなくちゃいけない。ノリがとれよってもやめないかぬというようなことで、また、燃油使用量を10%以上削減できなかったら助成を受けた全額を返還しなければいけないというような制度でございまして、果たして漁業救済対策なのか本当に疑問に思います。
 また、この燃油高騰水産業緊急対策の総事業費は、全国で80億円ということでありますが、9月1日時点で既に全国から200億円の申し込みがあっていると聞いております。国においてどれくらいの予算確保ができるのかも心配であります。
 本県においても、今議会に補正予算として水産業燃油高騰緊急対策事業を提案されております。事業内容を見ると、10円を限度に、県、市町村、漁連がそれぞれ負担し補助をする事業で、審査条件は国の事業に準ずるとのことです。
 ここで質問でありますが、昨年度国において示された水産業燃油高騰緊急対策基金についても、制度の適用が難しく、本県においては利用できなかったということもあり、今回、7月に示された国の燃油高騰対策について、県はどのようなスタンスで対応されようとしておられるのか、お聞きします。
 次に、この事業は、水産業種によって優先順位があると聞いていますが、助成を希望する本県漁業者に対してどこまで対応ができるんでしょうか。また、現在の全国の申請状況はどうなのか。さらに、もし国の事業に漏れた場合県の事業で対応するとのことですが、審査条件が国の基準と同じであるため、ノリ養殖並びに近海漁業者等は利用できない状況もあり得るのではないかと心配しております。熊本県独自の審査基準を設けて対応すべきではないでしょうか。
 農林水産部長にお尋ねいたします。

【農林水産部長】
農林水産部長(廣田大作君) まず、ことし7月に国が示した燃油高騰水産業緊急対策事業に対する県のスタンスについてでありますが、この事業は、漁業者が省エネの操業形態へ移行することを促進するためのものです。全国漁業協同組合連合会や県漁業協同組合連合会が事業の中心的な役割を担っており、申請なども県を経由するものではありません。しかしながら、県としましては、より多くの漁業者の方々がこの事業を利用できるよう、県漁連とさらに連携を図りながら取り組んでいくこととしております。
 次に、この事業が助成を希望する漁業者に対してどこまで対応できるかということについてであります。
 全漁連によりますと、事業の実施に当たっては、操業の時期などを勘案しつつ燃油依存度の高い順に助成対象とするということであります。また、現在までの全国の申請状況については、事業費ベースで、9月10日締め切りで、9月1日現在の200億円からさらにふえて400億円程度となっているということでございます。燃油価格の動向にもよりますが、8月の平均的価格に基づき、補助金ベースで試算しますと120億円程度になるのではないかと推察され、予算額の80億円を超えていることから、どこまで要望にこたえられるか心配しているところでございます。
 お話しの水産業燃油高騰緊急対策事業は、国の事業を補完するため、県事業として今定例会に補正予算を提案するものです。具体的には、国の事業の採択条件をクリアしているにもかかわらず、国の予算の枠の関係で支援を受けられなかった漁業者グループに対して支援を行おうというものでございます。
 ノリ養殖業も漁船を使用することから、乾燥機だけでなく、漁船も含め省エネ型の操業へ転換するための計画を作成し、10%以上の燃油の削減を行えば、漁船漁業と同様、事業の対象となります。そのため、県の事業においては、独自の審査基準を設けることは今のところ考えておりません。
 今後とも、県といたしましては、ノリ養殖を初め多くの漁業者の方々が有利な支援内容となっている国の事業を利用できるよう、具体的な燃油削減策を漁協などに対して提案するなど、積極的に対応していくこととしております。
 また、国に対しましては、全国の要望にこたえるための予算を確保していただくよう引き続き求めてまいりたいと思います。

【質問終了後】 
県の事業としては国へ倣うというようなことでございますが、そうしたならば、そうすることであれば、やはり県が一番先頭を切って、県漁連とともにじゃなしに、県がいろんな主導をとっていただいて、いろんな細かい作業やら何やらいろいろ漁連の方に伝えて、漁業者が皆申請できるような体制をとっていただければなというふうに思います。2次締め切りが9月30日でありますので、もう時間もありませんので、この2次募集に間に合うような体制でひとつよろしくお願いしたいというふうに思います。

水産振興に対する知事の思いについてお尋ねをします。
 今月9月3日、知事に対して、有共第21号共同漁業権管理協議会で、有明海におけるアサリ漁業の重要性や、アサリの資源回復に係る覆砂事業がいかに必要であるかということについて、要望を行いました。
 横島漁協の青山会長が、有明海において、アサリ採貝業では、現在約14億円ほど生産を上げているが、来年以降アサリ資源が減少するおそれがあるので、今後も海砂利の確保と覆砂事業をお願いしたいと、切実な要望をされました。
 それに対して知事は、有明海の再生は重要な課題であり、県計画に基づき、覆砂事業や資源管理に鋭意取り組んでいくと答えられました。私も同席しておりましたが、現在の県計画に基づいていたら、有明海の再生はいつまでたってもできないと私は思います。
 知事に海砂利採取について少しわかりやすく説明をしたいというふうに思いますが、仮に有明海を砂場と考えます。こちらが覆砂をする場所、こちらが海砂利をとる場所。そこに海水を入れます。有明海というのはどうしても時計回りに海流が流れるわけですよ。すると、ここに覆砂した砂が、この海砂利をとるところに砂がたまるわけですね。砂が堆積するわけです。ですから、ここに覆砂をしようと思ったら、堆積した海砂利採取場所からもとの位置に砂を移動させる必要があります。これが海砂利採取と覆砂事業の関係であります。
 この海砂を移動させることを県が環境破壊の懸念があると言っていることに、私は到底理解ができません。有明海での覆砂は有明海の砂で、先ほども言ったように、行うのが最善な方法で、たまった海砂利で必要な覆砂をすることが、果たして環境破壊につながるのでしょうか。知事のお考えをお聞かせください。
 あわせて、知事はこれまで、農業は本県の基幹産業である、農業を継続できるよう真摯に耳を傾け、農業者の夢の実現に向けて努力していくとよく述べられておりますが、水産振興についてはいま一つ力強い言葉が聞かれません。(「林業も」と呼ぶ者あり)林業もですね。
 漁業者が夢を持って安心して漁業に取り組んでいくために、知事は本県の水産業に対してどのようにお考えなのか、その思いをお聞かせください。

【熊本県知事】
きょうは、私が知事になって初めて、事前に質問がわからないままここに立っております。
 今、議員のおっしゃった砂場と覆砂の関係も、今よく勉強させていただきました。その勉強の結果を将来この場でまた述べる機会があるかと思いますけれども、1つだけ、2番目の質問について答えさせていただきます。
 1つ、アサリという話が出てきましたけれども、実は、私の妻が熊本に入ってアサリを買ってきたんですけれども、また、家族もそのときに集まって最初に言ったのは、熊本のアサリは大きくておいしいという話題になりました。多分、今の議員の質問を聞いて、覆砂事業というのがとても重要な事業であり、そして漁業者の方がとても一生懸命にそれに取り組んでいらっしゃると。それをきょう理解したところです。この取り組みを県としても一生懸命に応援していきたいと思っています。
 それから、水産振興に対する知事の思いということに関してですけれども、熊本県の海は、広大な干潟を有する有明海、それから静かな浦湾に囲まれた八代海、外海に面した天草西海などから成っています。多種多様の水産物がそこから収穫があるわけですけれども、これはとてもおいしい。私は、熊本に戻って初めてそのことに気づきました。熊本の魚はとてもおいしい。だから私は、この水産物は熊本の宝と思っています。
 しかしながら、今日、漁業を取り巻く環境は、高齢化や燃油資材などの高騰、それから生産者価格の低迷といった1次産業共通の問題に加えて、先ほども議員がおっしゃったように、漁場環境の悪化によるさまざまな問題、水産資源の減少など、漁業特有の問題も抱えています。
 このため、水産資源を持続的に利用するために、アサリなどの生息に適した砂をまく覆砂及び魚介類のすみ場をつくる藻場造成など、そのような漁場環境の改善も図っております。そして、つくり育て管理する漁業を実践してきました。また、食の安全、安心に対応した養殖魚の認証制度や環境に適応した養殖漁業の振興、さらには、生産者価格の向上を目指し、くまもと四季のさかなを中心とした地産地消やブランド化の取り組みも行ってきました。
 これらの結果、近年はアサリの漁獲量が回復してきていると言われています。また、ノリ養殖業は安定的な生産が行われ、八代海ではクロマグロの養殖試験が開始されるなど、養殖県くまもとの復活に向けた明るいニュースも聞かれ始めています。
 今後とも、漁業者の皆様と連携をとりながら、熊本の宝を生かすよう、持続的な漁業生産と安全、安心な魚介類の提供を通じて、水産業の活性化に取り組んでまいりたいと思います。
【熊本県知事答弁終了】

【質問終了後】
今、知事の思いというのをお聞きしましたけれども、先ほどの質問も関連しての言葉になりますけれども、やはり今環境ということがよく叫ばれております。先ほども言ったように、環境の観点から突き詰めて考えると、海をさわっちゃならぬと。例えば、航路のしゅんせつだとか、海砂利採取だとか、みおしゅんせつだとか、覆砂したりとか、こういうのをすべて環境というふうなことを考えれば、水質や魚類、底生生物に何らかの負荷の影響を与えるという答えに行き着くわけでございます。

(質問) 入札制度、総合評価方式等についてお尋ねします。
 入札制度のあり方については、私の一般質問のテーマとして毎回質問しておりますが、平成19年7月から、4,000万円以上の工事に対して条件つき一般競争入札が実施され、あわせて総合評価方式が試行されております。さらに、今年度から最低制限価格制度及び低入札価格調査制度の見直しなど、目まぐるしく入札制度の改正が行われております。私としては、この入札制度改正は一定の評価をしますが、果たして建設業界の方々はどう思っているのか、甚だ疑問であります。
 そういう中、現在サマーレビューの取り組みが行われておりますが、今後工事発注量が大幅に減少される懸念があり、建設業界にとっても会社経営存続が大変危惧されている状況であります。
 そこで、熊本土木事務所管内の建設業者に、県土木部に対しての入札制度や総合評価方式等に関しての意見や疑問点がないか、アンケートをとりました。ランダムに約100社に対して質問し、回答が34社ありました。(資料を示す)これが取りまとめたやつです。
 内容を見ますと、入札制度に関して、大半の業者さんは、一般競争入札の予定価格の事前公表は価格だけの競争を助長するので、廃止してほしい、また、総合評価方式については、積算能力も施工能力に含まれると考えられるので、予定価格の公表を除外してもらいたい、総合評価方式において施工実績が評価の対象となっているが、工事受注が少ないため該当する工事経験がなかったり、指定年度以前の工事経験だったりするため評価の対象にはならず入札に参加できない事例があり、施工実績の緩和、工事経験年度の拡大などを考慮してほしいなどの回答がありました。
 また、工事施工に関しての質問では、工事開始後、電気、水道、ガス等の移設などの工事が発生した場合、当初の工期より延長することが多く、工期の延長による経費がかさむので、経費率を考慮してほしいとか、物価スライドを設計単価に早く反映してもらいたいなど、ほかにもたくさんの意見、要望がございました。
 そこで質問でありますが、総合評価方式の入札制度は、安全、品質、工程管理、企業の評価などを十分検討して落札業者を決める制度であり、入札に参加する業者も十分に内容を検討して参加しますが、自社の積算価格が県が出す予定価格を上回った場合、入札に参加ができないという状況も出てきます。アンケートにもありましたように、公平な入札制度になるよう、総合評価方式の予定価格の事前公表を廃止すべきではないかと思います。
 今、土木部においても総合評価方式の試行をやっておられるので、予定価格の事前公表を廃止することも試行の一つではないかと、やってもいいんじゃないかというように思いますが、土木部長のお考えをお尋ねします。
 また、設計関係において、発注量の減少、受注金額の低迷等で、本当に業者の利益率というのがとんと減少しております。そういう中、設計の詳細が余りにもあいまいに思います。例えば、経費においては、直接工事費の何%と一括計上してありますが、詳細がわかるように工種別に計上するとか、作業員や交通整理員など人件費が作業効率により算出されているため現場での最低必要数と大きな差が出てくるなど、設計においてもシビアにするべきだと考えますが、この点について、土木部長はいかがお考えなのか、お尋ねします。

【土木部長】
本県におきましては、入札契約手続の透明性、公正性をより高めるとともに、入札契約手続に関する情報を広く公開し、公共工事に対する県民の信頼を得ることを目的として、平成13年度から予定価格の事前公表を行っております。
 総合評価方式につきましては、価格のみならず品質を含め総合的にすぐれた調達を行うというものでございますが、価格面での透明性、公正性が求められているということから、通常の競争入札手続と同様に、予定価格の事前公表を行うということが適切かと考えております。
 また、事前公表の弊害として、建設業者の見積もり努力を損なわせることなどが指摘されていることから、入札に際し、工事費内訳書を提出させ、入札参加者の見積もり努力を確認しております。
 したがいまして、情報公開の流れに沿って進めてまいりました予定価格の事前公表を事後公表に戻すということにつきましては、今のところ考えていないというところでございます。
 次に、シビアに設計すべきではなかろうかという御質問でございますが、公共工事を発注するに当たりましては、適切な設計価格を算定することは、これは発注者の責務であると考えております。
 適切な設計価格を算定するため、施工地域の実態に即した適正な単価を採用することや、現場条件、周辺環境などの状況を的確に把握し、きめ細やかに積算するよう努めてまいります。
 また、工事着手後、設計図書に明示された施工条件などに変更が生じた場合には、発注者と受注者が十分な協議を行い、必要に応じ設計変更などの適切な対応を行うことといたしております。
 さらに、工事の施工上の課題や対応方策などについて円滑な意思疎通を図るための発注者、設計者、受注者で構成する3者協議会の設置、それから受注者からの質問や協議に即日回答するワンデイレスポンスの試行を昨年度から実施しております。
 これらの新たな取り組みを通じて、より適切な設計になるよう今後とも努めてまいります。
【土木部長答弁終了】

(質問) 農林水産部においても、今年度から総合評価方式が試行されております。
 落札状況を見ますと、8月末時点で、4本の工事を入札し、落札率86.2%で、すべて最低制限価格の入札者が落札しております。施工計画などの評価点が反映されているのか本当に疑問でございます。最低ありきじゃないかというぐらいであります。
 評価に関する基準を尋ねたところ、土木部と基本的に同じ基準で評価し算出しているということでありますが、土木部と農林水産部では、同じ土木工事でも内容が私は違うと思います。土木部の発注工事は、ほとんどが用地買収後の場所を施工いたしますが、農林水産部の場合は、農家などの地権者の受益者負担というところを施工する現場が多うございます。そのため、農家の工事施工に対する要望もあったり、施工現場の状況にも精通していなければならないというふうなことが生じます。
 そこで質問でありますが、農林水産部の総合評価方式の評価に関する基準に地域貢献度、地域精通度などの項目がありますが、その点数の配分などを見直すことで地域に密着した農林水産部独自の総合評価方式の運用ができないものでしょうか。農林水産部長にお尋ねします。

【農林水産部長】 農林水産部における総合評価方式による入札は、平成19年11月から試行を始め、19年度には2件実施し、本年度は約40件実施する予定です。
 農林水産部の工事につきましては、生産基盤である農地の整備に必要な技術とともに、地域の営農などに配慮した現場対応が求められるものがあります。
 このため、例えば、圃場整備の発注に際しましては、同じ圃場整備の工事の施工実績や施工経験を有する技術者の有無、また、農地・水・環境保全向上対策活動に地域の人々と共同で取り組むといった企業の地域貢献度を評価項目として取り入れております。
 今後も引き続き、試行中の総合評価方式の課題や問題点を検証しながら、工事の特性を考慮したよりよい評価方式となるよう検討を進めてまいりたいと考えております。
【農林水産部長答弁終了】

【質問終了後】
この入札制度、なかなか質問と答弁がかみ合わないという状況で、もうここ4~5年来ております。そういう中で、やはり現状は一番仕事発注量が多かったときの半分以下になってきているんですよ、もう。そういう中でのこの制度改正という中で、どぎゃんかせないかぬというようなことで、その制度をよりよくやっぱり改正しながら、業界のためと言うとおかしいんですが、業界の育成のためにやっぱり考えるときが来たのではないかなというふうな思いがいたします。
 もういろんな意見を聞けば、今私が質問したようなことばかりを業界の皆さん方はおっしゃっておられます。今予定価格の事前公表廃止というようなことでありますが、これは通産省も国交省も通達が来ておるわけでありまして、いろんな障害が生じるならばやめてくださいと。
 今現在最低制限価格が工事別によって変動されておりますが、もうここ1年ぐらいそれでやっておりますけれども、大体これぐらいの業種のこれぐらいの工事だったら幾らぐらいで落札だがなというようなデータがもうちゃんと出てきて、また最低ありきの競争が始まったというような状況も聞き及んでおりますので、やはり一番いいのは予定価格を見せない、予定価格を事前公表しない、すれば、各社一生懸命積算を行いますよ。そこの中で、最低が今85であれば、90になったり、89になったり、1%でも上に上がっていった落札率、それが自然競争というものだろうと思いますけれども、最低ありきではなしに、その幅での競争を、本当の意味での競争をやっていただかないといけないのかなと。また、そういう指導というのも、県が発注元でありますので、業界にはしていく義務があるのかなというふうに思いますので、そこら辺は十分検討しながら今後また考えていただきたいというふうに思います。また次の質問には必ずこの質問はいたします。

(質問) 保健環境科学研究所についてお尋ねいたします。
 7月に、環境対策特別委員会で、宇土市にあります保健環境科学研究所の視察に行き、初めて研究所の存在を知りました。もう鬼海委員長には心から感謝申し上げます。
 この研究所は、各種感染症や食中毒等の原因になる細菌、ウイルスに関する検査及び食品中の残留農薬や有害物質の検査、また、大気中に含まれる汚染物質等の調査、河川、海域等に含まれる環境汚染物質等の調査、農薬等汚染物質が地下水に及ぼす影響等の調査など、幅広い検査や調査を行っておられます。
 県は、熊本の水を守るため、また、有明海、八代海の再生のために、平成17年3月、水質汚濁防止法の規定に基づき排水基準を定める条例等を改正し、平成20年4月から施行しておられますが、これらの新たな基準に伴う事業場排水監視調査にかかわる分析もこの保環研が行っております。(「どこの県」と呼ぶ者あり)熊本県。
 以上のように、この研究所は、いずれも県民の健康被害の防止と生活環境の保全といった県民生活の安全、安心を科学的に、技術的に側面から支援する重要な役割を担っていると実感しております。
 しかしながら、厳しい財政状況の中で、当施設に配置されている分析機器類は使用年数がかなり経過しているものもあり、今後十分な検査、試験研究ができなくなるおそれがあるのではと危惧しております。精密な分析機器は高額なものが多く、すべてを整備していくことは非常に難しいと思いますが、サマーレビューの中にも、試験研究機関の試験研究費のこれ以上の削減は、新技術等の開発のおくれや開発能力の弱体化につながりかねないとして、課題、問題点に掲げられております。一律に予算をカットするのではなく、当研究所の役割、使命を考えれば、必要な機器類の整備は当然必要なことではないかと思います。
 それと同時に、効率的な検査の方法として、大学や民間企業に検査を委託することも一つの方法であると思いますし、また、複数の県にまたがる事例も多いことから、他県の研究所との共同研究や協力体制などの連携強化を図ることも必要ではないかと思います。
 また、当研究所において、分析機器類の習熟にも相当の時間を要すると聞いたことがありますので、経験を積んだ職員を短期間に異動させるのではなく、当研究所においてじっくりと研究をさせ、スペシャリストを育成することも必要なことではないかと思います。
 食品表示の偽装問題などを契機にさらに関心が高まっている食の安全、安心に向けた検査体制の整備や近い将来発生が予想されている新型インフルエンザ、また、近年県下でも発令されている光化学スモッグ注意報のように、新たな健康被害に対する備えも必要になってきております。
 以上のことから、当研究所については、社会の要請にこたえた機能の整備や専門知識を持った職員の持続的な人事配置が必要であると考えますが、当研究所を所管する健康福祉部長はいかがお考えなのか、お尋ねいたします。

【健康福祉部長】 保健環境科学研究所は、熊本県における中核的試験研究機関として、公衆衛生、大気、水など、県民の健康にかかわる試験検査などに取り組んでおります。
 最近の事例では、現在大きな社会問題になっている政府米事故米穀の不正流通に関して、本庁や保健所と連携して、残留農薬などの検査に迅速な対応を行っております。
 これは、高度な検査技術の蓄積に加え、平成17年度に新たな分析装置を導入し、全国トップレベルの食品検査体制を整えた結果であり、食の安全、食品衛生の確保に貢献できたものと考えております。
 試験研究機関が機能を十分に発揮するためには、人材の育成も極めて重要です。これまでも、国の研究機関への派遣などによる最新の情報、技術の取得や、熟練した研究員から若手への技術の継承などを続けており、全国トップレベルとの評価を受ける研究員もあらわれております。
 今後とも、必要な機器類の整備や、専門的な知識、技術、経験を有する職員の育成、配置を行い、また、民間委託による効率性の向上をさらに進めるとともに、民間機関や国などの試験研究機関とも連携を強めながら機能強化を図ってまいります。
【健康福祉部長答弁終了】

【質問終了後】
 この研究所は、例えば委員会資料等々の、環境とか、いろんな数字が出てきます。全部この研究所で分析した数字が委員会資料に出てくるというふうなことであります。重要なポストではなかろうかというふうに思っていますが、やはりこういう技術系というのは本当ある意味スペシャリストをつくらなければいけないと思いながらも、やはり県は異動というのが必ずあるわけでありまして、習得したらもう異動というふうなことがよくあると、この技術関係は聞きます。
 まあ、保環研に限らず、農研、また水研もそうでございまして、例えば水研なんかは、今、ノリの技術者が1人しかいないんですよ。それで、そういう人が転勤したらどぎゃんなっとやと言うたら、なかなか技術者不足でと、なら、あた一生おんなっせと、そういうわけにもいかぬとですよと、そういう話でございます。やはりそういう研究所には、やっぱりそういう精通した方がいらっしゃいます。ですから、それを研究しながらその中で昇級していくというような、何かそういうシステムをぜひとも知事、お願いしたいというふうに思っております。